(PL)
日曜日、9月7日
大槻能楽堂

「声は、最も美しく、最も響き渡る楽器です」と語るアントニナ・ノヴァツカ(Antonina Nowacka)は、3作目となるソロアルバム『Sylphine Soporifera』をそのように表現している。ポーランド出身のサウンドアーティスト/作曲家である彼女は、その力強い声を核に、これまで高く評価される一連の作品群を築き上げてきた。『Lamunan』ではインドネシアの洞窟にこもって制作を行い、万華鏡のように多彩な音像をもつこのアルバムでは、1970年代のニューエイジ的なサウンドの上にヒンドゥスターニー音楽の声楽技法を取り入れている。2023年には、デンマークのアーティスト、ソフィー・バーチとの共作による『Langouria』をMondojおよびUnsoundから発表。そして今年、新作『Hiraeth』をリリースした。この作品は、ポーランドの田園地帯で制作され、オープンリールに直接録音されたものであり、原点回帰とも言える郷愁と夢想に満ちたアルバムとなっている。
